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インタビュー ~二宮清純が障害者スポーツ選手に聞く~

02.ボール改良で高い競技性を実現!

二宮: 一方、三輪さんが熱中しているブラインドテニスは、日本発祥のスポーツということですが、一般のテニスとはどのような違いがあるのでしょうか?

三輪: ブラインドテニスは体育館で行なわれ、コートの広さはバドミントンと同じです。クラスは3つに分けられているのですが、全盲クラスのB1は3バウンド以内、弱視クラスのB2とB3は2バウンド以内に相手コートに返すというのが基本のルールです。ボールはスポンジでできたボールの中に小さな鉄球が4つ入ったプラスチック球が入っていて、その鉄球がプラスチック球に当たる音を聞き分けて、選手はボールの位置を把握します。

二宮: 三輪さんがブラインドテニスを始めたきっかけは?

三輪佳永 三輪: 私がブラインドテニスを始めたのは30歳の時だったのですが、それまでもサッカーなど子どもの頃からスポーツはしていたんです。ただ、頭上にボールが上がってしまうと、照明が目に入って何も見えなくなってしまって、プレーができないんですね。だからいつもどこか不完全燃焼のところがあって……。でも、ブラインドテニスは違いました。実は父親が私が始める数年前からブラインドテニスやっていたんです。父はほぼ全盲に近いので、私が会場に連れて行っていたのですが、そこで私も体験してみて、「あ、これなら自分にもできるかもしれない」と思ったんです。

二宮: ブラインドテニスのボールはスポンジ製ですから、高く弾んでも頭の上を越えることはない。照明などは気にせずにできるというわけですね。

三輪: はい、そうなんです。それと、ブラインドサッカーもそうですが、音がするボールというのが私にとっては大きかったんです。たとえ見えなくても、音で判別できますから練習さえすれば、どんどん打てるようになる。これが嬉しかったですね。

落合: 私も一度、ブラインドテニスをしたことがあるんです。でも、ボールがあまり弾まなくて結構難しかったですね。あれを2バウンド目、3バウンド目で打ち返すというのはすごいなと思いました。

三輪: 実は今年から公式球がかわって、以前より弾むように改良されたんです。ですから、スピンがかかっていると、肩の高さまで弾むんですよ。そのためにB2やB3クラスでは展開がスピーディになって、よりテニスに近い感じになってきています。B1クラスはまだ新しい公式球に慣れるのに苦労していますが、徐々に慣れてラリーが続くようになれば、さらに面白く感じられると思います。今年は11月20日に「日本ブラインドテニス大会」が開催されます。新公式球の登場で、これまで以上に白熱した試合が増えそうで、今から非常に楽しみです。